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カラメル色素(3)欧州食品安全機関(EFSA)2011.3

前記事の1番から見ていきます。

欧州食品安全機関(EFSA)の意見書ということですが、まずはこの機関から。

EUが資金提供する欧州機関の一つで、欧州の立法機関および行政機関、ならびにEU加盟国とは独立して運営される機関」とのこと(EFSAホームページより)扱う内容は、食品の安全だけでなく、家畜の飼料や植物の安全なども扱っているようです。
面白いことに、Wikipediaの「欧州食品安全機関」の英語ページでは「独立して運営される」というところに(disputed=議論の余地あり)と書いてあった🤣

最初に内閣府のデータベースを見に行ったわけですが、「政府はいまいち信用ならないよな」という猜疑心から、EFSAまで見てみることにしたのですが……。結局、権威あるところは、何かとしがらみがあるということでしょうか?🤭

とはいえ、政府の出している情報はさすがに嘘はないとは思います(何かを隠すことは大いにあると思うけど)。なので最初に(いや、ウィキの後💧)参照するわけです。

 

で、この意見書のまとめ。

  1. カラメル色素は4種類。カラメル色素Iは1日摂取許容量(ADI)を決めなくてもいいが、カラメル色素II、III、IVについてはADIを160〜200mg/kg体重/日の範囲で設定した。
  2. ラットを用いた試験により、カラメル色素グループADIを300mg/kg体重/日に設定。ただし、カラメル色素IIIについては、「2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾール(THI)の免疫毒性に関する新たな知見のため」、ADIを100mg/kg体重/日に設定。
  3. 子供であれ大人であれ、食物からカラメル色素I、III、IVを接種する量はADIを超える可能性がある。THIおよび4-MEI、さらに二酸化硫黄に推定暴露量は問題ないが、免疫系へのTHIの影響については更なる研究が望まれる。
  4. 5-ヒドロキシメチル-2-フルフラール(5-HMF)およびフランについて、成分規格に上限値を入れるのが望ましい。

 

  • 1について

カラメル色素Iは料理の過程でもできるもののようですので、規制しようがないというのはわかります。ところで、ADIの単位、めちゃくちゃ長いですね。「mg/kg体重/日」というのは、「体重1kgが1日に摂取してもよい量」ということらしいです。つまり、体重50kgの人が「200mg/kg体重/日」のADIを守るとすると、200mg✖️50=10gとなるわけです。

ちなみに、食品安全委員会によると、このADIとは「毎日一生涯食べ続けても健康に悪影響がないと考えられる量」だそうです。

体重50kgとして、上記の設定範囲だと、8〜10g……多いんだか少ないんだか。食品にどれくらい入ってるのか分かんないので、危ないのかどうかまだわかりませんね。

 

  • 2について

ラットを用いた実験では、カラメル色素IVを30g/kg体重/日まで与えても大丈夫だったということ。で、ラットで大丈夫だから人間でも大丈夫とならないために、この数値を100で割るそうです(不確実係数100を適用)。それでカラメル色素グループADIを300mg/kg体重/日に設定、と。

(グループADIの意味は、いろんなカラメル色素ひっくるめてということでいいのかな。)

ただし、カラメル色素IIIについては、「免疫毒性に関する新たな知見」のためにADIを100mg/kg体重/日に設定。

新たな知見って、つまり疑わしいってこと??

 

  • 3について

食事でADIを超える可能性はある、と。食品の8割に使われていると聞けば、これは「さもありなん」と思うのですが、超えて大丈夫なんかい?! カラメル色素IIについては、ADIを下回るらしいですが、何の慰めにもならないような……。一応、この意見書を提出している学者さんたちは、「カラメル成分のTHI、4-メチルイミダゾール(4-MEI)及び二酸化硫黄(SO2)への各推定暴露量は懸念にならない」としているそう。ただ、THIの免疫系への影響はもっと調べなくちゃならん、と。

4-メチルイミダゾール発がん性物質だったと思うので、その心配ないのなら、ないに越したことはないのですが、免疫系への影響があるものが入ってるのも嫌じゃん。

 

  • 4について

カラメル色素の他の成分(5-ヒドロキシメチル-2-フルフラール(5-HMF)およびフラン)が「懸念になりうる濃度で存在している可能性あり」だから、上限値を設けた方がいいよ、だって。イミダゾールの次はヒドロキシ、おどろおどろしい名前が続きますね😥

 

ということです。以上が、2011年3月の時点での評価書です。

 

次は2つ目の資料へ。